AIに『この作業を自動化すると何が難しいか』と逆質問したら、先に地雷が見えた話

新しいツールを手に入れます。つい「全部自動化できる」と舞い上がってしまいます。私もかつてはそうでした。画面上の操作を記録します。ボタン一つで全てが終わる魔法の世界を夢見ていたのです。しかし現実は非情でした。動かし始めて数分でエラーが起きました。「ファイルが見つかりません」というメッセージが出て、処理が止まってしまいました。想定外のフォルダ構成になっていたのです。その修正に数時間を費やす日々が続きました。

原因はツールの使い勝手ではありません。自分が業務に潜む「地雷」を理解していなかったのです。実装前に、どこで処理が止まるか予測できていませんでした。この手戻りを減らすために私が始めたことがあります。AIへの「逆質問」という習慣です。自分ひとりで悩むのをやめました。設計段階のパートナーとしてAIを迎えることにしたのです。

この「逆質問」を導入したことで、私の自動化ライフは劇的に変化しました。以前のように行き当たりばったりで作り始めません。リスクを予見した上で一歩を踏み出せるようになったからです。この記事では、AIを壁打ち相手にします。業務の地雷を洗い出す具体的な方法をまとめました。その効果について、私の実体験を交えながら詳しく共有していきます。

AI自動化、まず「地雷」を問う逆質問

「この作業の自動化コードを書いてください」とAIに頼むのは簡単です。しかし、出てきたコードが実務で完璧に動くことは稀でした。AIは、現場データの「汚さ」を知らないからです。そこで私は質問の仕方を変えました。コードを書いてもらう前に、逆に問いかけるようにしたのです。「自動化で処理が止まる条件をリストアップしてください」と頼みました。

『どう作るか』ではなく『どこで壊れるか』をAIに最初に聞いてみます。返ってきた回答には、自分では思いもしなかった例外ケースや想定外のパターンが5つ以上並んでいました。結果として例外処理や入力ゆれなど、4つの地雷が実装前に見えたのです。自動化に着手する前に「作業が止まる条件を教えて」と頼みましょう。これだけで想定外の失敗が大幅に減るはずです。

逆質問でトラブル予見と事前対策

この逆質問を始めると、驚くほど多くの盲点が見えてきました。「参照元のファイルが開かれていたらどうするか」といった具合です。「ネットワークが一時的に切れたら」というパターンもあります。自分一人では気づけなかった失敗を、実装前に予見できるようになりました。これができると、コードを書く段階で対策を盛り込めます。一度動かしてから頭を抱える回数が激減しました。今では逆質問なしに自動化を始めることは考えられません。地雷を先に可視化することで、精神的な余裕も生まれました。



自動化の地雷5分類:設計と予測

逆質問を投げると、返ってくる答えは多岐にわたります。そのままでは情報が散乱してしまいます。そこで、私は地雷を5つのカテゴリーに分類して整理しました。それは「例外処理」「入力ゆれ」「権限」「締日」「手作業の介在」です。この分類を固定したことで、大きな変化がありました。新しい業務の自動化を検討する際、チェックリストとして機能します。要件漏れのレビューが非常にスムーズになりました。自分の思考の癖も把握できるようになったのです。

薄暗いオフィスでPC画面に向き合い、AIチャット画面に「自動化の懸念点を5つの地雷分類で整理してください」と入力している様子。画面には日本語の文字がはっきりと表示されている。realistic screenshot style

予測可能な自動化設計

具体的には、まず例外処理でシステムエラーの可能性を潰します。次に入力ゆれでデータ加工のルールを定めましょう。権限と締日は、社内運用ルールとの整合性を確認しました。最後に人間が判断すべきポイントを「手作業の介在」として切り離します。この5項目を順番にAIと壁打ちするだけで十分です。これで自動化の設計図はほぼ完成しました。地雷がどこにあるか分かっていれば、避けて通るだけです。かつては「作ってみないと分からない」と不安でした。今では予測可能なプロジェクトに変わっています。この分類法は、仕様をチームで共有する際にも役立つでしょう。

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想定外データで止まった自動化、例外処理の教訓

自動化で最も怖いのは、データが存在しないときの挙動です。「想定外の形式のファイルが混ざったとき」も同様です。私は以前、例外処理を甘く見て大きな失敗をしました。「そんなデータは来ないだろう」と思い込んでいたのです。しかし現実は残酷でした。運用を開始した最初の週に、トラブルが起きます。まさに「ありえない」と思っていたケースが発生したのです。プログラムは無慈悲に停止しました。その後の処理が全て止まってしまったのです。

以前は「ありえない」と思っていた例外ケースが、最初の週に実際に発生しました。担当者が休暇中にデータが別の形式で届き、スクリプトが途中で止まってしまったのです。最初の週に発生して処理が止まった苦い経験です。現場のデータには想定外が必ず混入します。私はこの失敗から多くのことを学びました。

日本語で「実行時エラー:指定されたパスが見つかりません」という真っ赤なダイアログが表示された、2000年代のレガシーな業務システム画面。UI mockup style

この苦い経験から、私は質問の順番を変えました。AIへの逆質問で「例外処理」を最優先で聞き出すようにしたのです。「ファイルが空だったらどうすべきか」と尋ねます。

Excel業務の地雷、…

Excel業務で最も厄介な地雷が、人間による「入力ゆれ」です。全角と半角の混在や不要なスペースなどがあります。「(株)」と「株式会社」の違いなど、キリがありません。人間であれば目視で同じだと判断できるでしょう。しかし、コンピュータにとっては全く別のデータになります。私もかつて、入力ゆれのせいで失敗を経験しました。月末の締め処理の合計金額が合わなかったのです。あの時は血の気が引くような思いをしました。

入力ゆれ対策:正規化とAI

「全角・半角の混在で集計が別物になる」と初めて気づいたのは、月末の締め処理で合計が合わなかったときでした。「営業一課」と「営業1課」が別集計になっていたのです。月末の締め処理で合計が合わなかったときのことです。その日から入力ゆれの正規化が最優先になりました。逆質問なしで作り始めたときは、3回の手戻りが発生し合計で2週間かかります。逆質問を先にしたときは手戻りがゼロで、1週間以内に完了できました。合計で2週間もかかってしまいました。しかし、逆質問を先にしたときは手戻りゼロです。1週間以内に自動化を完了することができました。

この失敗を繰り返さないための対策があります。AIに「想定される入力ゆれ」を事前リストアップさせました。本格的な計算や集計の前に、必ず「正規化」を挟みます。

自動化は運用との協調

技術的に完璧なコードが書けたとしましょう。それでも社内の「権限」や「締日」の壁で止まることがあります。自分のPCで動いても、共有サーバーでは動かないケースがありました。フォルダの書き込み権限がないことが原因です。特定の締日を過ぎるとデータがロックされることもあります。自動化ツールからアクセスできない運用ルールを見落としていました。これらはコードの問題ではありません。あくまで環境と運用の問題なのです。

日本語インターフェースのWindowsエクスプローラーで、フォルダを開こうとした際に「アクセス許可がありません」という警告文が出ている画面。UI mockup style

AIに逆質問を投げると、運用面の地雷も指摘してくれます。「実行環境の権限を確認しましたか」と聞かれました。「バッチ処理が重なりませんか」という指摘もあります。これを機に、実装前の確認プロセスを徹底しました。現場の運用担当者へヒアリングを行います。誰がいつ、どの権限でツールを動かすのか明確に定義しましょう。それが安定した運用の大前提です。自動化はツール単体で完結するものではありません。社内の既存ルールと協調して動くものだと理解できました。事前の確認さえ済ませておけば安心です。リリース当日に「動かない」という事態を防ぐことができます。

周囲との調整力が自動化の成功には欠かせません。

最小実験と事前対策で地雷発見・高速修正

地雷を洗い出した後は、いきなり巨大なシステムを作りません。「1処理・1ファイル・1週間の最小実験」を自分に課しています。まずは一つの処理だけに絞りました。一つのファイルだけを対象に、一週間だけ試運転をしてみるのです。この最小単位で動かすことで、大きな利点が生まれました。逆質問でも漏れていた細かな地雷を発見できるのです。被害が小さいうちに対処することができます。修正のサイクルを素早く回せるのが最大のメリットでした。

1処理・1ファイル・1週間の最小実験で先行検証を行いました。この単位で試すと、例外発生条件を素早く把握でき、修正サイクルを素早く回せることが実感できました。例外発生率の把握とサイクル修正が格段に楽になります。事前の地雷洗い出しも非常に効果的でした。例外処理・入力ゆれ・権限・締日・手作業の5分類を使います。これらを事前に洗い出すと、要件漏れを防ぐことが可能です。

夜の静かなオフィスで、デスクの上のモニターに日本語のメッセージが表示されたPythonの実行画面が映り、1行ずつ処理が進んでいる様子。realistic photo style

大きな塊を一気に自動化しようとすると大変です。どこでエラーが起きたか特定するだけでも一苦労でしょう。

地雷診断:安心自動化への確実な一歩

AIへの逆質問を習慣にしました。次第に自動化への恐怖心が薄れていきます。事前に何が起きるか予測できているからです。トラブルが起きても落ち着いて対処できるようになりました。これから初めての自動化に挑戦する方もいるでしょう。まずは自分の業務の地雷を診断してください。そこから始めてみることをお勧めします。いきなりコードを書く必要はありません。まずは状況を把握することが大切です。

日本語で「Excel自動化地雷診断チェックリスト」と書かれた、グリーンのヘッダーが特徴的なWeb画面。チェックボックスが並んでいる。UI mockup style

私たちのラボでは「無料チェックリスト」を用意しました。こうした地雷の洗い出しを助けるツールです。これを使えば、逆質問のヒントが得られるはずです。自分一人で設計するのが不安な方もいるでしょう。あらかじめ地雷を避けて設計された「ミニキット」もあります。これらは私が何度も失敗を繰り返して作ったものです。ようやく辿り着いた安定稼働のエッセンスを凝縮しました。道具を使いこなす前に、足元の安全を確認してください。慎重な一歩こそが、未来の時間を生み出す近道になります。自分に合ったペースで進めてみましょう。無理なく自動化の世界へ足を踏み入れていただければ幸いです。

自動化の真価は止まらなさ AIは思考の壁打ち相手 AI…

業務の自動化を志すと、スピードばかりに目を奪われがちです。「どれだけ速くなるか」を気にしてしまうでしょう。しかし、実務で本当に価値があるのは「止まらなさ」です。どんなに高速なプログラムでも、週に一度止まることがあります。修正に半日かかるなら、それはもはや自動化とは呼べません。手作業よりも手間がかかるお荷物になってしまうのです。

手動コピペ作業は1回あたり約45分かかっていました。スクリプト化後は3分以内で完了するようになり、月間で15時間以上の作業時間が浮くようになりました。手動で60分かかっていた作業があったとします。止まらないスクリプトなら、わずか2分で完結するのです。

AI壁打ちで思考力向上、地雷回避と自動化

真の効率化は、地雷を丁寧に取り除いた先に待っています。AIを単なる「コード生成機」として使ってはいけません。自分の思考を補完する「壁打ち相手」として活用してください。逆質問を通じて、自分の業務を客観的に見つめ直すことができます。このプロセスそのものが、素晴らしいトレーニングになりました。エンジニアリング的な思考を養う最高の機会になるのです。

失敗を恐れる必要はありません。しかし、防げる失敗をわざわざ踏み抜く必要もないでしょう。AIの知恵を借りて、地雷の場所を先に把握してしまいます。その準備さえ整えば、自動化の魔法は強力な味方になります。



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